パニック障害と漢方薬
ここではパニック障害の症状と、 パニック障害に適応する漢方薬について説明します。
パニック障害とは
パニック障害とは、実際には危機がないにもかかわらず、
脳が幻の危機を感じてパニック状態が起こる病気です。
人間は危機感や不安感を感じると、心拍数が上がり、呼吸が浅く速くなり、汗をかくなどの反応が現れます。
パニック障害になると、このような誰にでも起こる正常な反応が急激に現れる症状なのです。ですから、身体への危険性はありません。
例えばよくあるケースとして、電車やバスの中、ショッピングモールなどの人ごみでパニック障害の症状が現れる場合があります。
これは、その場から逃げるのが難しいという感じがするために、強い不安感が現れます。
そして、このような経験を何度か重ねると、電車に乗るのが怖い、などという心理状態におちいります。
パニック障害の症状
パニック障害の症状は、吐き気や動悸、めまいなどと共に、強い不安感、パニック状態に襲われることです。
パニック障害の症状は心臓発作に似ており、心臓が止まって死んでしまうのではないか、
という強い不安感に襲われます。
しかし、パニック障害の症状は、実際には身体には全く問題は起きないのが特徴です。
また、そのような症状は不安感による一時的なもので、ある程度時間がたつと、その症状は回復します。
パニック障害は、パニック発作が1ヶ月以上続くこと、薬物、身体疾患によるものではないこと、 他の精神疾患ではうまく説明が付かないことが診断の基準になっています。
それゆえ、パニック障害はこの治療法さえすれば克服できる!というものはありません。過去に多くの人に効果が見られた有力な方法の中から、自分に合う方法を選択するという手段がベターな方法でしょう。
治療法の選択をどのようにするのか、具体的な内容はこちらをご覧ください⇒テレビ、雑誌に引っ張りだこの精神科医が監修したパニック障害改善プログラム
パニック障害と漢方薬
パニック障害は、現代になって注目されるようになりましたが、昔からある病気です。
パニック障害は漢方では「奔豚気病」と呼ばれ、治療の対象となっています。
漢方では気・血・水の流れの停滞が主な原因とされていますが、詳しくは明らかになっていません。
パニック障害に適応される主な漢方薬は次のとおりです。
柴胡加竜骨牡蛎湯 | さいこかりゅうこつぼれいとう | 実証 | 不安・動悸・不眠・のぼせ・めまい・便秘のある人 |
柴胡桂枝湯 | さいこけいしとう | 虚証 | 発汗・微熱・悪寒・身体痛・食欲不振・吐き気のある人 |
酸棗仁湯 | さんそうにんとう | 虚証 | 神経過敏の人に |
半夏厚朴湯 | はんげこうぼくとう | 虚証 | 喉異物感・動悸・めまい・吐き気・食欲不振のある人。自律神経の調節作用 |
茯苓飲合半夏厚朴湯 | ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう | 中間証 | 喉異物感・動悸のある人。不安感の改善 |

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このサイトでは症状別に適応される漢方薬についても説明しています。
しかし、漢方薬は基本的に、専門知識を持った人が、患者の体質など「証」を見極めて処方するものです。
安全で効果を最大限に発揮するためにも、必ず専門の医師・薬剤師にご相談のうえ、漢方薬を利用されることを強くおすすめします。
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