便秘と漢方薬
ここでは便秘の特徴や種類、 便秘に適応する漢方薬について説明します。
便秘の特徴
現代の日本では便秘に悩む人は以前に比べて増加しています。
その理由として、腸の運動を刺激する効果がある食物繊維の摂取が、食習慣の変化によって減ったことがあげられます。
その他の便秘の原因として、水分不足、腹筋の筋力の低下、ストレスなどがあります。
便は身体に有害となる老廃物を排出するために必要なものです。
便秘によってこの便がたまっていると(滞留便と呼ばれます)、腸の中で有毒なガスなどが発生し、
にきびや吹き出物などの肌荒れの原因となります。
さらに便秘の症状は頭痛やめまい、食欲不振、さらにひどい場合は、腸閉塞や腸捻転、大腸ガンまでも引き起こします。
便秘の種類
一口に便秘といってもその種類はさまざまです。
便秘は器質性便秘と機能性便秘の二つに分類されます。器質性便秘とは大腸に何らかの病気があり、そのために起こる便秘です。
機能性便秘とは、大腸そのものには異常がないが、大腸の運動などの機能に異常がある場合に生じる便秘をいいます。
一般に多いのは機能性便秘です。
また、便秘の症状としても水分が少なく堅い便である場合、水分の多い軟便の場合、便秘と下痢が交互に繰り返すばあいなど様々です。
さらに、近年では「過敏性腸症候群」が増加しています。
これは精神的なストレスによっておこる便通異常で、検査をしても原因となる病気がないのに便秘や下痢を繰り返すものです。
これはストレスによって自律神経のバランスが乱れ、腸の運動に異常をきたすことが考えられます。
便秘と漢方薬
便秘を解消する方法として下剤を使用するという方法があります。
下剤は大腸の蠕動運動を起こさせる薬ですが、むやみに使用すると、次第に、下剤を使わなければ便通が起きなくなるおそれがあります。
また、いつまでも便が残った感じがする、腹痛になる、下痢になってしまう、などの症状が出てくることもあります。
したがって、便秘は下剤に頼るのではなく、体質を改善して解消すべきものです。
そのために有効なのが漢方薬。
便秘に対する漢方薬には水の代謝を良くする、血の流れを改善して大腸の働きをよくする、大腸を直接刺激して運動を促す、 などの効果があり、便秘のタイプによって処方を変えます。
便秘に適応される主な漢方薬は次のとおりです。
| 大黄甘草湯 | だいおうかんぞうとう | 実証 | 吐き気・手足が温かい・目の充血のある人。腸の運動を促す |
| 麻子仁丸 | ましにんがん | 中間証 | 便の固い人。腸の運動を促す。 |
| 大柴胡湯 | だいさいことう | 実証 | 腹部膨満感・残便感のある人。ストレス性の便秘に。 |
| 大建中湯 | だいけんちゅうとう | 虚証 | 腹部の冷え・腹部膨満感・下痢のある人。腹部を温める効果がある。 |
| 桂枝加芍薬大黄湯 | けいしかしゃくやくだいおうとう | 虚証 | 腹部膨満感・残便感のある人。お腹の冷えている人に。 |
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