生薬とは
漢方薬がなぜ効果的か?それは漢方薬の原料である「生薬」 に秘密があります。
生薬とは植物を中心に、動物や鉱物をふくめ、天然のものから作られた薬です。
中国薬物研究所などがまとめたところによると、生薬の種類は薬草類が278種、動物類52種、昆虫類18種、
鉱物類36種の合計394種です。
生薬を配合する割合は厳密に定められていて、複数の生薬をある一定の割合で組合せたものが、一つの漢方薬になります。
なぜ漢方薬は西洋薬と異なる作用を発揮するのでしょうか?それは、
生薬が材料であるからに他なりません。
精製された単一成分からなる西洋薬とは反対に、漢方薬や生薬にはさまざまな有効成分が含まれていて、
これらが互いに巧妙に作用しあい、独特の効果を発揮します。
つまりこういうことです。「血圧を下げる薬」を例にとって考えてみましょう。
一つの生薬に含まれる有効成分の中には、例えば血圧を下げる成分と血圧を上げる成分と、
相反する両方の成分が含まれている場合があります。一見、これは意味のないことのように思えます。
しかし、我々の身体は常にバランスを保つ複雑で巧妙なしくみ(これを「恒常性」「ホメオスタシス」といいます)があります。
生薬のように相反する薬効成分を含んでいるということは、この身体のバランスを崩さないようにしつつ、
安全に身体を正常な状態に近づけていくうえで大きな利点があるのです。
一方、西洋医学では、高血圧の薬は血圧を下げる成分を抽出し、可能な限り純粋な形で配合されています。
このような薬は速やかに血圧を下げるには有効ですが、身体のバランスを急激に動かすので、長期的な使用には十分な注意が必要です。


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しかし、漢方薬は基本的に、専門知識を持った人が、患者の体質など「証」を見極めて処方するものです。
安全で効果を最大限に発揮するためにも、必ず専門の医師・薬剤師にご相談のうえ、漢方薬を利用されることを強くおすすめします。
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